私には狭いながらも、本がゆっくり読める書斎のような場所を、家族から与えられています。
そんな風に言えば、生活にゆとりのある年配の方が、ロッキングチェアーに座り、タバコをくゆらせ、コーヒーを飲みながら、ゆったりと本を読んでいるイメージがあるかもしれませんが、単に四畳半の部屋に置き始めた本が、捨てられず、積もりに積もって本しか置けないようになってしまったのです。
しかし、何故か私はその場所が妙に落ち着きます。仕事が終わり、家に帰り、夕食を家族と一緒に食べると、後はテレビもパソコンも見ずに、私の書斎もどきに引きこもり、ゆったりとした気持ちで、新しく買った本や、何年も前に読んだ本を読み直したりして、時を過ごしています。
本棚が四畳半の壁を覆っているせいか、家族の話し声も聞こえずに、私だけの静寂の時間です。
心静かに自分と向き合う時間なんて言うと、恰好が良すぎますが、確かに心が落ち着く時間となって、私の日常に溶け込んでいます。