私は、群馬のオーダーメイド家具の店で作ってもらった壁面本棚に並べられた本を読むのが日課になっています。近年、ダイエットや筋トレなど、体を鍛えるコマーシャルやテレビプログラムが増えています。クイズ番組などでは脳を使って考える脳トレ的な番組、クイズ番組も増えてきています。テレビは人々の需要を敏感に感じ取り、提供するメディアです。たぶん、今は国民の多くが何かしら自分を向上させようという上昇志向のある時代なのでしょう。ところがこの数年、とくに若者を中心として本離れが毎年のようにニュースになっています。本は脳にとって、脳トレ番組よりもよっぽど脳のトレーニングになります。小説であれば文字を読み、頭の中に映像空間を再現します。ビジネス本は人から何かを教わるよりも、頭への知識の定着率が高いです。多くの文字の羅列と組み合わせを脳に晒すことで、論理力も高まります。人と話す時に理路整然と話せるようになり、ビジネスの場においては相手に与える説得力が違ってきます。読んだ文庫本やコミック本等を壁面本棚に並べていく。そうすることで、自分の成長の軌跡が客観的に眺めることができます。また並んだ本は自分の背中を後押しもしてくれます。書斎など、これから読むぞ、と形から入ることで本の吸収率が高まることがあります。本は筋トレでいう負荷と同じで、読む本を増やせば増やしていくほど、脳は豊かになっていきます。本をじっくり腰を据えて読む、その経験をもとにじっくり考える。それが、この情報量過多の慌ただしい世の中に抗う一つの方法かもしれません。