書籍だらけの気持ちの良い書斎

私は、膨大な量の書籍とスライド式本棚、そして書斎を、父から受け継ぎました。

 父は、文学を愛していました。職業も文学関係の仕事でした。しかし、そんな父は、この、春に、まだ若くして他界してしまいました。そこで、父の遺品である書籍や本棚を、書斎ごと、私が受け継ぐことになったのです。

 私も、父親の血を引いて本が大好きで、父親の本棚を眺めているだけで心が安らぐほどに本が好きな人間です。なので、父の本はほとんど売らず、本棚を減らすこともなく受け継ぎました。そして、はじめてできた私の書斎は、とても気持ちの良いスペースでした。

 まず、書斎は両側の壁をスライド式本棚で三重に囲まれています。人によっては圧迫感を感じてしまうかもしれませんが、私はそれが不思議に落ち着きます。私は、そんな書斎の中で、寝転んで父のものだった本を読むのがお気に入りです。それは、父が読書の際によくしていた姿勢でした。書斎を受け継いだとき、まるで父の魂の一部も受け継いだような気がしたのですが、それは本当だったのかもしれません。

 書籍も、本棚も、書斎も、私にとっては命と同じくらい大切なものです。父親から受け継いだこの3つを、一生大切にして暮らしていきたいと思っています。