本当に欲しい本だけが本棚に増えていく

私の家には書斎という名の空き部屋があります。居間には作り付けの本棚があり、本のある生活を大切にしているつもりです。

 少し前までは本に使うお金は使ったうちに入らないという感覚で書籍を買いあさっていました。趣味の雑誌もしかり、仕事に関する専門書も小説も漫画ですら本にお金を使うことに罪悪感のかけらもなかったのです。それほど「本」には知識を得るためだけでない魅力がありました。 本棚には読み終えた本がぎっしりとつまっていきました。

 しかし、ある時から本にお金を使わなくなったのです。買わなくなったのではなく、厳選するようになったというべきでしょうか。

 毎週家の近くに移動図書館がやってきます。時間のある限り移動図書館を利用し、読み切れないほどの本を借りてきます。読んでみて気に入った本、手元に置いておきたい本が見つかると本屋に走るのです。その結果、本当に欲しい本だけが本棚に増えていくことになりました。

 色褪せない本当に欲しい本とはまるで自分の分身のようなのです。無駄遣いをすることなく、図書館を有効に利用して、自分の分身だけで本棚を埋めていきたいと考えています。